
イギリスを代表する文豪ディケンズの名作を映画化。監督は「戦場のピアニスト」でオスカーを手にしたロマン・ポランスキー。主人公には新人のバーニー・クラーク、脇をオスカー俳優ベン・キングズレーらが固める。
つまらなくは無いが、いまひとつ心に響かない作品だ。
多分、理由は二つあると思う。
一つ目はオリバーが弱気であまり共感できないって事。
何かこの少年があまりに善人で、無垢な感じが漂いすぎて、いちいち鼻についてしまう。まあ、そういうキャラ設定だといわれればそれまでなのだけど、どうも個人的には血肉の通ったキャラには見えなかった。
二つ目は物語の焦点がぼやけたという点。
視点が前半ではオリバーを中心に描かれているのに、後半からオリバーは脇役っぽい位置づけに下がってしまう。それはそれでいいのだけど、どうもそのつなぎが悪かった様な気がした。そのため一貫性が無いように観えてしまい、物語を若干弱いものにしてしまったのでは無いか、と偉そうに思ってみる。
しかしエピソードが次々飛び出すので、テンポが良く、つまらないという印象を持つまでには至らなかった。観たらそれなりには納得して帰ることができるだろう。
あと、セットだがさすがに金をかけたというだけあってすばらしい。
19世紀のロンドンの生きた感じが伝わってきて、その風俗と共に目を奪われるものがある。これだけでも一見の価値はあるだろう。
評価:★★★(満点は★★★★★)
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